□■□しりとり□■□






それは良く晴れ渡った昼下がり。

最後の憩い館のテラスにて。




、エレストール、グロールフィンデルはお茶を楽しんでいた。



「そういえばね、このあいだお父様から面白い遊びを教わったの」




“しりとり”って知ってる?




「それって初めに言った者の名詞の最後の一文字を
 次の者がその一文字から始まる名詞を言って続けるゲームですよね?」

エレストールが答える。


「そうそう、それで最後に“ん”が付いたら負けってやつ」


とエレストールは知っているようだが、グロールフィンデルは初耳のようだ。


「でね、せっかくだしやってみない?
 楽しそうだし」

のせっかくの提案にエレストールは少し顔を顰める。



「しかし、このゲームはいつまでたっても終わりにくいですよ?
 私は仕事が残っているので中断せず負えません」


「それもそうね…じゃあ、人名…いえ、エルフの名前だけでしりとりなんてどう?
 これなら結構難しいかもしれないし、楽しめるわ」


“まぁ、それなら”と納得するエレストールだが、
ふいに金髪の同僚を見ると一度ため息を付く。



「…姫、ここに脳みそまで筋肉のエルフがいます。
 おそらくゲームになりませんよ」


「なっ…それは私のことか?エレストール」

「貴方以外誰がいるんですか?」


冷たい目線であっさり返される。

それにはグロールフィンデルも怒ったようで。


「そんなこと言うなら試してみたらいいだろう。
 私は二人よりもずっと長生きだから沢山のエルフの名を知っているからな」

「そうですか、では負けたら1週間寝ずに仕事をしてもらいますからね」

「望むところだ!じゃあ君が負けたら1週間寝ずに仕事をしてもらおう」



売り言葉に買い言葉。


だが、エレストールにいたってはこんなゲームがなくとも1週間くらい余裕で
起きて仕事をすることが多い。


かくして呆れ顔のを挟みこじんまりとしりとり大会は行われた。



順番は→グロールフィンデル→エレストール。


「じゃあしりとりの“り”からね。“リンディア”」

グロールフィンデル「アルウェン!!」



自信満々に答えたグロールフィンデル。


だが、言葉を失うとエレストール。

「ん?どうかしたか?次はエレストールだが?」


未だに気づいていない金華公。

エレストールは笑い飛ばすどころかため息しか出ない。



「グロールフィンデル…しりとりって最後に“ん”ついたら負けだよ?」

が控えめに言って初めて気づいたグロールフィンデル。



「い、今のは無しだ!!何、ちょっとした冗談だ!!」

焦りながら誤魔化す英雄。


不審そうな目で睨まれていることに気づかないようにして訂正する。


グロールフィンデル「あ…あ…アムロス!!」

エレストール「スランドゥイル」

「ルーミル」




グロールフィンデル「る…る……ルーシエン!!」







裂け谷とグロールフィンデルの頭は平和です。




2004/10/19



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