太陽が真上に来るころ、宴も終わり早々に後片付けがされる。



その後は顧問官たちはいつもどおりの執務を、武官たちは見回りや稽古に勤しんだ。



エルロンドは久々にこの裂け谷に娘、息子達がそろったと言うことで、
ゆっくりお茶を飲みながら語り合いたいと申し出たが…。


エレストールの“父親としての責務を果たす前に、裂け谷の主としての責務を果たしてください!!”
と一喝されてすごすごと執務室へ退散する。




その後、エルロンドは過去にこれほどまでに仕事に打ち込んだことはあるだろうか、
と思うくらいがんばったおかげでその日の仕事はなんと夕刻には終了することができた。



そのスピードにはエレストールも驚くばかり。


そして
“これだけの速さで処理できるならこれからはもっと大量に仕事を処理してもいいですね”
と、考えて不適な笑みを浮かべていたとか。







何がともあれ、その日の夕食の席には数十年ぶりに親子がそろって食事をすることができた。
(ケレブリアンがいないことが心残りだが)



その席にはエレストールとグロールフィンデルの姿も。


彼らは家族水入らずに邪魔をするのは無粋だと断ったが、
食事は大勢でしたほうが楽しい、と言うアルウェンとに彼らも苦笑気味にそれを承諾した。




















ただ一人アルウェンが加わっただけで普段の何倍も食事が楽しいものになる。


厨房を取り仕切るエルフが腕によりを掛けて作った料理に、楽しいおしゃべり。

エルロンドたちもワインがよくすすむ。



ちなみに、双子は酒癖が悪いためエレストールによって止められた。






そしてそれはアルウェンのある一言で始まった。




「でも、ってば本当に成長したわね。びっくりしたわ。」


「そりゃあもう数十年もあってないんですもの。
 人の子なら赤ちゃんだったら子も自分の赤ちゃんがいるくらいですわ。」



完璧なテーブルマナーで食事をするを見てアルウェンがさらに言う。


「今でこそこうやって上手に食事できるようになったけど、
 まだフォークとナイフも巧く使えなかったころから比べると本当に変わったわね。」



そのセリフに一番疑問に感じるのは自身。


双子はそれことを思い出し不適な笑みを浮かべ、エルロンドはワイングラス片手に固まる。

エレストールは少し困惑した表情。




「どういうことですか?」





アルウェンに尋ねる

するとアルウェンは一つの封筒を取り出した。



状態からするにかなり古い。

おおよそ200年以上前のものだろう。




それをに手渡す。


「何ですか?これ。」


「貴方が200年前に書いた将来の夢よ。しかも絵もついてるわよ。」





頭にクエスチョンマークを浮かべながらその封筒を開ける。







中から出てきたのは本当に200年前のものか疑いたくなるくらいしっかりした型で残っている

1枚の画用紙と1枚の便箋。



まず画用紙を開くと、色鮮やかな絵の具で描かれた絵。

多分幼児が描いたものだろう、二人のおそらくエルフがいて。


金髪のエルフと銀髪のエルフが手を繋いでいる。

その銀髪のエルフは真っ白な服をきて、金髪のエルフは青いマントをつけて正装のような格好。




周りには華が咲いていて、子供でなければ描く事の出来ない微笑ましい絵。


だって子供だが、この絵よりはずっと忠実に物事を絵に表すことが出来る。




「これ、なんですか?」


あまりにそれに注意が注がれているため他の者に回す事を忘れている。




「もう一枚の方を見たら分かるわよ。」




言われるがままにもう一枚の、便箋の方を開く。


そこにはまだ文字を覚えたての幼児が必死になって書いた様な文字の羅列。


たまに文字を反転させて書いているところがあるが、読むことの出来ないわけではない。






ゆっくりと一文字一文字を吟味して読んでいくうちに、は驚きのあまり声を張り上げた。


「な、な、な、なんですか!?これは!!!???」





すぐエレストールに“行儀が悪いですよ”と注意が入るがそれすら耳に入っていない。


「それ、200年前のの将来の夢よ。」


にっこりと笑顔で言うアルウェン。


呆然と立ち尽くすの後ろからその便箋を取り上げるのは双子の兄たち。


そして彼らは声をそろえてその便箋を読み始めた。




「「わたくし、さけだにのあるじのむすめ
 おとなのせいじんエルフになったらグロールフィンデルとけっこんします。」」







つい先ほどまで楽しい笑い声で包まれていた空間が一気に静まり返る。

「つまり、まさか…この絵って…。」

「そうよ。察しのとおり、とグロールフィンデルの結婚風景。
 ががんばって描いてたのよ。」



そこでの思考回路ストップ。




「そうそう、ってばこのころグロールにべったりだったよね。」

「本当に。いっつも“グロール、グロール”って言ってたし。」

双子はの肩を左右から抱いておもしろそうに話す。



“それは貴方たちがいつも姫をおもちゃにしていたから私の元に逃げていたんですよ”
と苦笑いするグロールフィンデル。


「でもね〜、それだけじゃないわよね。あのときのは。
 夜自室にいないと思ったらグロールフィンデルの部屋で一緒に寝てたこともあるし。」

「そうそう、グロールフィンデルが遠征に行ってたときは寝ないでいつまでも入り口で待ってたし。」

「しかも一緒に湯浴みもしたことあったよね。」


兄や姉がいう出来事。

自身には全く覚えがないこと。


それより自分が身内以外の男性と寝台を共にしたり湯浴みまでしたなんて…




「お、お父様…はもうお嫁にいけません……」


グロールフィンデルに失礼じゃないか?と思うくらいショックを受ける


だが、一番のショックは父親のエルロンドだろう。





そんな事実知らなかったのだから。


「グロールフィンデル!!貴様になんてふしだらな!!」



ものすごい剣幕で今にも剣を鞘から取り出さんとするエルロンド。



「ち、ちょっと卿!!落ち着いてください!!そんな昔のことじゃないですか!!」

「200年まえも昨日のこともエルフにとっては同じようなものだ!!
 よくもを傷物にしたな!!」



いや、まだ傷物になってないだろ、と心の中でツッコム。





「あぁ…は今も可愛いが200年前はもう目に入れても痛くないくらい可愛らしかったから…。
 その笑顔に魅せられたグロールフィンデルがにあんなことやこんなことを…」



一人妄想にふけるエルロンド。

そんな主にエレストールも盛大にため息をつく。




「ち、ちょっとまってください!!
 いくらなんでもそんな赤子同然の姫にどうやって欲情するんですか!?」



グロールフィンデルの必死な弁解。


「ちょっと!!誰が赤子同然ですって!?」

「馬鹿エルフ!!姫の前でそんな卑猥な単語使うんじゃありません!!」



とエレストール参戦によりさらに火に油をそそぎ戦火を広げるバルログバスター。


もうどうにでもしてくれ状態。






「だ、大体その当時、姫は私と一緒じゃないと何もしてくれなかったんですよ!!」


必死に過去の出来事を説明しながら弁明する。




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2004/04/27


中途半端ですみません…。
ついでにまとまり無くてすみません…。

本当にオチ考えていないんです…。


そしてなぜグロールフィンデルがこんなに出張っているかというと、
エクセリオンにハマり、そしてエクグロにハマり中だからwという
邪な理由…。

次からはその過去話。

いろいろと暴露されます。


そういえば、このシリーズでシルマリルキャラって出せないかな〜…と
ちょっと考えていたりしてます…。
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